コハラタケルが表現する土居夏実の色|あの人のプリセット vol.5

コハラタケルが表現する土居夏実の色|あの人のプリセット vol.5

“いつもの自分の写真に、誰かの色を重ねてみたら” どんな世界が広がるのかー。

人気写真家が、誰かのLightroomプリセットを自分の写真で使ってみる連載「あの人のプリセット」。

何を撮るか、どう切り取るか、どんな色で仕上げるか——さまざまな要素が重なって、その人らしい写真表現が生まれます。
それぞれの視点と表現を持つ写真家が、自分の写真に誰かの色を重ねてみたら、どんな変化が生まれるのでしょうか。

第5回は、人の佇まいや空気感を丁寧に写し取る写真家、コハラタケル。今回、コハラタケルが使った“色”は、土居夏実のLightroomプリセット 「Blue film」「Orange film」です。

重ねた“色”で生まれた作品と、実際に使ってみた感想を紹介します。

Photography by コハラタケル

コハラタケル
写真家 1984年、長崎県生まれ。東京都在住。建築業、フリーライターを経てフォトグラファーに転身。幼少期から手足の多汗症(掌蹠多汗症)に悩んできた経験を背景に、「症状の認知を広げること」を動機のひとつとして制作を続けている。主な個展に2023年『撮縁』(ライカギャラリー東京・京都)、2025年『Contrast』(イリスギャラリー)など。
Instagram / Threads / X 

 

Lightroom プリセット|土居夏実「Blue film」「Orange film」

身近な場所の美しい一瞬を切り取る写真家 土居夏実による最新版Lightroomプリセット。デジタルの彩度を活かしながら、フィルムのような質感を写真に添えてくれるプリセット「Blue film」と「Orange film」の2種。「Blue film」は青空や海を少し緑がかった爽やかな青へと整え、マットでフィルムライクな質感に。「Orange film」は朝焼けや夕焼けのオレンジの光に寄り添い、どこか懐かしさを感じさせるトーンへ導いてくれます。
Lightroomプリセット|「Blue film」「Orange film」

 

コハラタケル×「Blue film」


自分の好みとも重なった「マットな質感」

「つい自分のプリセットの作り方や考え方と比較してしまうのですが、一番意外だったのは明瞭度を+側に振っていることでした。僕は明瞭度を上げることがほとんどないので、新鮮な発見でした。土居さんは以前の記事でCarl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZS M42を愛用レンズとして挙げていたので、そのやわらかい描写を踏まえて明瞭度を調整しているのかなと想像しました。現行レンズを使うことも多い僕にとっては、ガラス越しの写真や曇り・雨の日の写真と相性が良く、特に※1の写真はこのプリセットが自然にハマったと感じました。この写真は過去にマット紙でプリントすることが多く、土居さんも「マットな質感」を意識して調整されているとのことなので、その方向性が自分の好みとも重なったのだと思います。」

── コハラタケル

コハラタケル×「Orange film」


プリセットを通して視点や好みが見えるのも、面白さだと思う

「良くも悪くも写真を選ぶプリセットだと感じました。でも、こういう個性のあるプリセットは勉強になりますし、何より触っていて面白いです。土居さんは“朝焼けや夕焼けなど、オレンジ色の光に相性が良い”と説明されていましたが、僕は早朝の草木や木漏れ日の写真にもよく合うと感じました。シャドウにブルーが入ることで明暗の階調がより感じられ、木漏れ日の光もやわらかく見えます。実際に使っているうちに、“土居さんはこういう光を探して撮っているのかな”と想像してしまいました。プリセットを通して撮り手の視点や好みが少し見えた気がして、それもこのプリセットの面白さだと思います。」

── コハラタケル



今回使用したLightroomプリセット|「Blue film」「Orange film」はこちら

連載「あの人のプリセット」記事一覧

ブログに戻る